前編からのつづき
秀美は大泣きして、鼻汁まで出している。
クロサワは、話題を変えようとがんばった。
「えーっと、秀美ちゃんは何が好物かな?」
秀美「ヒック。 牛ドン ヒック。 でっす」
クロサワ「おツユたっぷりの?」
秀美「はい!」
どうりで、汁の多い子だと・・・クロサワは、心の中で頷いた。
クロサワ「特技とかある?」
秀美は考えてから答えた。
「あの、私、耳くそがネバネバしているんです・・・」
(はあ? それは、特技かっ!?)
クロサワ「へぇー。そうなんだ」
と、いい終わる前に、秀美は自分の耳をホジッていた。
秀美「こんなんです。」
秀美は、耳穴から指を出すと、人差指と親指をくっつけ
たり離したりネチョネチョし、ネバリ気をPRした。
クロサワ「うわっ。すごいネバリ!糸ひきそうだね。秀美ちゃん
は水戸出身だよね?」
秀美「いえ、埼玉です。」
ネバリ気ある秀美なのに、クロサワのギャグは2度も滑った。
秀美「あ、そうだ・・・ 他にもあります。」
クロサワ「ネバルもの? 鼻水かな?」
秀美「ウフッ。ちがいますぅ~。うふふふふっ」 (おっ、元気でてきたな)
秀美は、左手を腹に当ててヘソを広げて、右手の人差し指を
入れてホジホジした。
秀美「・・・ あれっ?・・・」
クロサワ「どうしたの?」
秀美「あれれ。?」
耳くそと同様に、人差指と親指の間でネバリ気を確かめる。
クロサワ「へそのゴマがネバるってか?」
秀美「おっかしぃなぁ~ ネバラない。」
どうやら、いつものネバリ気がないので、納豆、いや納得が行かない様である。
秀美は、ネバリ気のない原因を確かめるかの様に、その指を鼻にもって行ってクンクンした。
クロサワ「もしかして、さっき、汗が入ったからじゃない?」
秀美「あっ、そうか!。」
秀美は、そう言うと確認する様に、ペロっと指をナメた。
「ショッぱ!」
思わず肩をすくめる秀美。
その仕草が、とてもよかったので、クロサワは、伝説の生パン売りを撮る事にした。
秀美(生パン売り 19才 85.58.85 ) 合格ここから本文