渋谷店には女性のお客様も多い。
店にいらした凛と名乗るお客様が、クロサワと話したいとの連絡が入り、近くの喫茶店で会うことになった。
喫茶店に行き見回すと、見覚えのある顔はなかったが、一人の女性が会釈したので、テーブルに近づいた。
凛「クロサワさん お久しぶりです。」
「あ、どうも・・・」 見覚えの無い顔であるが、一応返事をした。
凛「わかりますか?」
クロサワ「うーん。失礼ですが・・・」
凛「昔は・・・、ランです。」
それでも、思い出せない。
凛「あの、爬虫類顔のランです。」
クロサワ「ええーっ!!!」
完全に思い出した。でも、目の前にいる凛と、爬虫類のランは、似ても似つかない。
Before After でも説明がつかないぐらい、キレイ系になっている。
確かに彼女は、体はよかったが、顔が「爬虫類系」と言われていた。その時、彼氏がいたが、セックスの最中にした顔がキモイと言われて、その場でツバをかけられたという。
全てが耐えられなくなり、飛び出した時にスカウトされ業界入りした。ただ残念ながら、仕事は一本もなかった様だ。
クロサワとは、「なんでもやります!」というキャッチで営業が連れてきたのが縁だった。
面接の時に、「なんにも食べてません」と言っていたので、晩飯をご馳走し、聞いた身の上話があまりにもカワイソウなので、小遣いまであげてしまった。
それから、何回か渋谷で晩飯についてきていたが、自然消滅した子だった。
凛「監督、今日は都合いいですか?」
クロサワ「べつにいいけど、どうしたの?」
凛はクロサワのスケジュールを聞くと、近くのホテルに部屋をとり夕食を一緒にする約束をした。
後編につづく