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風呂に入らない女①

    3月10日(金) 午前11時05分 渋谷 ハチ公前 クロサワは女の子を待っていた。
    その日の朝、「今からすぐ会って欲しいって」いうメール。
    普段なら無視するとこだけど、この子のメール読んでたらかわいそうになっちゃって、雨で面倒だったけどハチ公前でとりあえず待ち合わせ。
    近くのホテルで話を聞くことになったが、「おい、それ、本当かっ!」っていうぐらい。すさまじい話。そして、話の間中も、しきりにあちこち掻いている。しまいには、パンツの中まで手を入れてポリポリしている。「一週間以上風呂に入ってなくて・・・」住所不定無職19歳のななと名乗るその子は、パンツから手を抜くと、さりげなーく自分の鼻に持っていって臭いを嗅いでいる。
    それを見ていた怖いもの知らずのクロサワは、女の手首を握ると、自分の鼻に近づけた。女は無意識に自らの体臭を嗅いでいた行為を恥じたのか、「あっ」と小声をあげると、手を振りほどこうとしたが、時遅しクロサワは「スゥーッ」という鼻腔の吸引音を立てて、ななのメスの臭いをティスティングしていた。
    なな「恥ずかしい・・・」。下を向き首を左右に振っている。
    「いいじゃん・・・さあ、次は直接臭いを嗅いでみるから、立ってパンツを脱いで・・・」クロサワがそう言うと、「エッ?」という顔で見上げた。

    つづく