(昨日の続き)
釧路に向けて出発。
羽田の管制塔が電源トラブルで、出発が大幅に遅れる。
まるで、クロサワが釧路へ行くのを嫌う様な感じがした。
ナナコが飛行機の窓から、外を不安げに見ている。
ナナコ「あのね・・」
クロサワ「?」
ナナコ「ごめんなさい。」
クロサワ「なんで?」
ナナコ「私が一緒に行くなってことなのかなぁ?」
クロサワ「ははは。そんな事はないよ」
ナナコ「私さあ、ちょっとだけなら、一人でまってられるよ」
クロサワ「えっ?」
ナナコ「だから、釧路に行ったら、瞳さんと、二人っきりで会ってきていいよ。」
クロサワ「じゃあ、そうするよ。(笑)」
ナナコ「・・・」
やっとの事で、飛行機は釧路空港へ向けて離陸した。
窓の下に広がる景色をみて、驚いている。
ナナコ「鳥になったみたい。」
クロサワ「はははっ。」
ナナコ「ナナコねえ、今日、初めて飛行機にのったんだ・・・」
クロサワ「えっ、そうなんだぁ。」
つづく